
シミ・毛穴・ニキビ跡が同時にあるときの施術順序は?
2026年8月31日
- 美肌レーザー
TL;DR: シミと毛穴、ニキビ跡が同時にある場合は、活動性炎症の鎮静化、バリア機能と敏感度の安定、色素、瘢痕・毛穴の再生、たるみという順に段階を分けるのが安全です。見た目で一番気になるものから手をつけると、炎症が残った肌に色素沈着が再び生じ、順番が振り出しに戻りやすくなります。敏感肌はレーザーの禁忌ではなく、バリア状態・赤み歴・直近の刺激・試験照射といった確認項目が増える状態と考えています。
はじめまして。瑞草UH CELL(ユエイチセル医院 瑞草店)代表院長の金京洙(キム・ギョンス)です。診察室で最も多く受ける質問のひとつが「シミもあるし毛穴も気になるしニキビ跡も残っている、何から始めればいいですか」というものです。結論から申し上げると、優先順位は今の肌がどの状態にあるかで決まります。鏡で最初に目に入る悩みと、最初に対処すべき悩みが一致するとは限りません。炎症が残っている肌に色素治療を先に入れると、その刺激自体が新しい色素を作る方向に働くことがあるためです。
順序を分ける五段階
臨床文献で繰り返し確認されている原則は次の順序です。私たち瑞草院のカウンセリングでも、まずこの枠組みで整理してから、どの機器を使うかをお話しします。
- 活動性の炎症から。 今も新しいニキビが出ている、赤く腫れた病変があるという場合は、ここが出発点になります。Galderma R&Dが2021年に登録した臨床試験プロトコルは、ニキビによる色素沈着の評価がまず基礎にあるニキビ自体の治療から始まる設計になっていることを示しています。色素は炎症の結果として生じるため、原因が続いている間は、消す速度より作られる速度のほうが上回ることがあります。
- バリア機能と敏感度の安定。 皮むけ、ヒリつき、頻繁な赤みがある状態でエネルギーを入れると、回復期間が長引きます。
- 色素。 シミ、そばかす、茶色い跡がここに入ります。紫外線量が多い季節かどうか、帰国後のケアを続けられるかどうかが、この段階の時期を大きく左右します。
- 瘢痕と毛穴の再生。 陥没した瘢痕や広がった毛穴のように、真皮の構造を作り直す段階です。回復反応が最もはっきり出る区間でもあります。
- たるみ。 たるみや輪郭の変化は、上記の段階が落ち着いてから判断します。
この順序を守る理由は、段階ごとに肌に求める条件が異なるためです。色素治療はメラノサイトを刺激しないようエネルギーを抑える必要があり、再生治療は意図的に微細な損傷を作って回復反応を引き出します。目的の異なる二つを同じ日に一つの顔へ詰め込むと、どの反応がどの施術によるものか区別しづらくなります。
悩みの組み合わせ別に最初に確認すること
| 悩みの組み合わせ | カウンセリングで最初に見ること | 候補系統(瑞草店の施術項目) | 注意すべき組み合わせ |
|---|---|---|---|
| シミ+毛穴 | シミの深さと直近の紫外線量、毛穴が皮脂型かたるみ型か | 色素は低エネルギートーニング系、毛穴はレガート・シルファーム系で分離 | 強い再生施術と色素治療を同じ週に配置すること |
| ニキビ跡+色素 | 今も新しい病変が出ているか、跡が赤いか茶色いか | 活動性が落ち着いてから色素段階へ、陥没瘕痕はその後 | 活動性ニキビが残る状態でフラクショナル系に進むこと |
| 赤み+色素 | 赤みが一時的な反応か持続的な血管拡張か、刺激歴 | バリア安定期間を先に確保し、その後で低エネルギーの色素アプローチ | 回復前に照射を重ね、紅斑が重複する配置 |
| 瘢痕+たるみ | 瘢痕の形状(アイスピック型・ボックスカー型・ローリング型)とたるみの原因層 | 瘢痕再生系を先に進め、たるみ機器は回復後に判断 | 回復中の肌への高強度な熱刺激の追加 |
敏感肌で増える確認項目
「敏感肌でもレーザーは受けられますか」という質問には条件つきでお答えしています。敏感肌だからという理由だけでレーザーを除外することはありません。ただし確認すべき項目は増えます。酒さの患者では表皮バリア機能と角質層の水分保持力が低下しているという報告があり、刺激に対する反応の閾値にも個人差が大きいためです。
カウンセリングで私たちが確認している項目は次の通りです。
✅ 確認ポイント
- 直近2週間、皮むけ・ヒリつき・ほてりがあったか
- 顔が赤くなる状況(気温変化、飲酒、辛い食事、感情的な刺激)とその持続時間
- レチノイド、酸系成分、角質ケア製品の使用頻度と最終使用日
- 過去のレーザー・ピーリング・スキンブースターの履歴(時期、部位、その後の反応)
- 色素沈着や瘢痕が残った既往、ケロイド体質の有無
- 服用中の薬剤と光過敏の有無
- 妊娠・授乳の有無
- 施術後の回復に充てられる時間
敏感度が高いと判断した場合は、狭い範囲に低い強度で試験照射を行い、反応を見てから範囲を広げる方法をとっています。私たち瑞草店ではカウンセリングを担当した医師がそのまま施術も行うため、試験照射で確認した反応をそのまま次の設定に反映できます。当院の医療スタッフページに登録されている医師は私一人であり、この体制については以前まとめた瑞草アンチエイジング相談の記事でも詳しくご紹介しています。
季節が色素治療の順番を変える理由
東アジアの肌質において、色素治療の順序を左右する変数は紫外線です。
ブリティッシュコロンビア大学のKristie Mar氏らの研究チームが2025年にAustralasian Journal of Dermatologyへ発表した系統的レビューは、有色肌における施術後色素沈着の予防に関する研究14編、369件を整理しました。対象者はフィッツパトリック肌タイプ3型から6型が中心で、原因の約95%がレーザー治療であり、予防手段のうち一貫して有効性が示されたのは日焼け止めでした。反対に冷却送風装置は色素沈着をむしろ悪化させたと報告されています。
ただし、この結論は単純ではありません。2026年にLasers in Surgery and MedicineへWongdama氏らが発表したネットワークメタ分析は、日焼け止め単独の使用がプラセボと比較して色素沈着の予防効果を示さなかった一方、皮内トラネキサム酸や外用ステロイドのほうが日焼け止め単独より予防効果が高かったと報告しています。両方の結果を合わせて読むと、日焼け止めは基本条件ではあるものの、それだけでリスクが十分に下がるとは限らないという理解に近づきます。
色素治療そのものの成績についても、控えめに見る必要があります。Kristie Mar氏らの研究チームが2024年にJournal of Cutaneous Medicine and Surgeryへ発表した文献レビューは、有色肌の患者を扱った48編を分析し、レーザーは一部の患者群で色素の完全消失を示した方法であった一方、施術後の色素沈着が悪化した例も同時に報告されたとしています。
Dong-Ho Kang氏らが2024年にJournal of Dermatological Treatmentへ発表した無作為対照研究では、532nm QスイッチNd:YAGレーザーによる老人性色素斑の治療後、施術2週間後時点の紅斑と、午後1時から5時の間の屋外活動が色素沈着発生の予測因子として確認され、この時間帯の屋外活動はオッズ比8.10という高い関連を示しました。旅行日程に屋外観光が長く組まれている場合、色素段階を後回しにするほうが合理的である理由がここにあります。
シミ管理における光曝露の基準は、国際皮膚科学会(ISD)が2024年のガイドライン概要でまとめています。日中の直接曝露を減らし日陰にとどまること、SPF50以上でUVA・UVBに加えて可視光線まで遮断する製品を3時間おきに塗り直すこと、可視光線も色素を誘発するため酸化鉄配合の有色タイプを検討することが挙げられています。
赤い跡、茶色い跡、陥没瘕痕を分けて考える
ニキビが残す跡は「ニキビ跡」とひとまとめに呼ばれがちですが、臨床では三つに分けて考えます。
赤い跡(炎症後紅斑) は、炎症の過程で表在性の血管が拡張または損傷して残るピンクないし赤色の病変です。指で押すと一時的に色が薄くなる特徴があり、時間の経過とともに徐々に薄れていく経過をたどることが多いです。
茶色い跡(炎症後色素沈着) は、メラノサイトが過剰に刺激されて生じる平坦な茶色ないし灰褐色の斑点です。押しても色は薄くなりません。この二つは色が似ているだけで原因となる組織が異なるため、アプローチが分かれます。見分けを飛ばしてしまうと、数か月かけても変化を感じられないという結果になりがちです。
陥没瘕痕 は、真皮のコラーゲン構造が失われて表面が凹んだ状態です。広く使われる分類はアイスピック型、ボックスカー型、ローリング型の三種類で、形状によって表面レーザーのみでの改善度合いが変わります。開口部が狭く深いアイスピック型は、表面照射だけでは改善が限定的な場合があり、別途の判断が必要です。この部分については、以前まとめたニキビ瘕痕の形状別アプローチの記事でも詳しく取り上げています。
私たち瑞草店ではレーザー項目の費用をサイトに掲示しています。2026年8月時点で、ピコトーニング1回80,000ウォン、ピコフラクセル(顔全体)1回150,000ウォン、ピコトーニングの色素・シミ除去モードは蝶ゾーン200,000ウォン・顔全体300,000ウォン、シルファーム単独390,000ウォン、シルファームとエクソソーム塗布590,000ウォン、レガート顔全体100,000ウォンです。価格は変動する可能性があり、どの項目が適しているかは上記の見分けを終えたあとに決めています。ここに記載した金額は項目ごとの掲示価格であり、プロモーションやパッケージ構成は含みません。
滞在日数が短い場合はどこから始めるか
海外からお越しになる方は、2泊から7泊程度の日程が多い印象です。滞在期間が短いなかで複数の系統を一度に詰め込む配置はお勧めしていません。反応が重なるとどの施術によるものか区別しづらく、回復に充てられる時間が足りないまま次の刺激が入ってしまうためです。
日程が3日以内であれば、回復の負担が比較的小さい段階、つまりバリア安定と低エネルギーの色素アプローチ程度までを今回の目標とします。5日以上滞在し、帰国後も紫外線対策を続けられる場合は再生系まで範囲を広げてご相談します。夏季や屋外日程が多い旅行であれば、色素段階は次回の来院に回し、今回は別の軸を進めたほうがよいケースもあります。
施術後の経過は回復区間によって確認するタイミングが変わります。再来院のタイミングをどう設定するかは、施術後の回復、帰国後のフォローまでどうつながりますかにまとめています。
私たち瑞草店は平日夜間と週末も診療しており、滞在期間中に経過確認をもう一度組み込みやすくなっています。日本語・中国語・英語の通訳スタッフが常駐しているため、上記の確認項目を通訳を介してそのまま確認いただけます。帰国後は、ご予約に使った相談チャンネルで経過をお尋ねいただけます。
効果と回復経過には個人差があります。赤み、腫れ、色素の変化が想定より長く続く場合や痛みが強くなる場合は、自己判断より先に医療スタッフの確認を受けてください。
相談前に整理しておくとよいこと
✅ 確認ポイント
- 一番気になる悩みの優先順位、上位三つ
- 跡が赤いか茶色いか、指で押すと薄くなるか
- 直近3か月以内に受けた施術とその後の反応
- 使用中の製品リスト(レチノイド、酸系成分を含む)
- 今回の滞在日程と屋外活動の予定
- 帰国後に日焼け止めを毎日使える環境かどうか
FAQ
シミは一度で消えますか
そう申し上げるのは難しいです。シミは再発しやすい慢性経過をたどる色素疾患に分類され、国際皮膚科学会の2024年ガイドラインも長期的な維持管理が必要な状態として説明しています。回数を分けて反応を見ながら強度を調整するアプローチが一般的であり、カウンセリングで「何回で完全に消える」という約束はしておりません。
敏感肌でもピコトーニングは受けられますか
まず評価を行います。バリア状態、直近の刺激歴、赤みの既往を確認し、必要であれば狭い範囲に試験照射を行って反応を見てから判断します。敏感度が高いと判断した場合は、強度と間隔を調整するか、別の段階を先に進めるようご案内します。
毛穴と瘢痕を同じ日に見てもらえますか
この二つの悩みは真皮再生という同じ軸にあるため、まとめて計画することがあります。ただし部位と強度は分けて進め、顔全体に高強度の刺激を一度に入れる配置は回復の負担を考えると避けています。滞在日程と回復に充てられる日数を先に確認したうえで決定します。
帰国後の紫外線対策はどの程度が必要ですか
国際皮膚科学会の2024年ガイドライン概要では、SPF50以上でUVA・UVBに加えて可視光線まで遮断する製品を3時間おきに塗り直し、日中の直接曝露を減らし日陰にとどまることが推奨されています。可視光線も色素を誘発するため、酸化鉄配合の有色タイプが助けになることがあります。色素治療の後は、このケアが結果を維持するための条件に近いものです。
診察室のご案内
私たち瑞草UH CELL(ユエイチセル医院 瑞草店)は、地下鉄3号線南部ターミナル駅6番出口から徒歩6分の場所にあります。日本語・中国語・英語の通訳スタッフが常駐しており、平日夜間・週末も診療しています。今どの段階にいらっしゃるかを確認したい方は、ご予約の相談チャンネルで気になる悩みの優先順位と直近の施術履歴をお知らせください。来院前に順序の案をあらかじめ整理してご案内いたします。
