ニキビ跡と色素沈着が同時にある時、施術はどの順番で受けるべきですか

2026年9月7日

  • スキンケア

ニキビ跡と色素沈着、正しい施術の順番

ニキビ跡と色素沈着が同時にある場合は、赤み・茶色の色素・凹み跡をまず見分け、残っている炎症を落ち着かせてから色素を薄くし、最後に質感を整える順番が安全です。色素が残る肌にいきなり強い剥離系レーザーを当てると、炎症後色素沈着でかえって跡が濃くなることがあります。滞在日数が短い場合は施術を詰め込むより、回復が終わる時期を帰国日から逆算して項目を絞るほうが結果は安定します。

私たち江南UH CELLクリニックの診察室でこの相談を受けると、答えはほぼ毎回「何を受けるか」ではなく「何を先に受けるか」で分かれます。同じ機器、同じ回数でも並べる順番が変わるだけで結果が逆になることがあるからです。色素が残った肌は刺激に敏感に反応し、その反応がまた新しい色素を作ります。

「跡」という一言に三つの問題が隠れています

患者さんが「ニキビ跡」と呼ぶものは、診察してみるとたいてい三種類に分かれます。

一つ目は赤み、あるいはピンク色に残る跡です。炎症が去ったあとの血管反応に近く、色素性の跡より比較的早く薄れる傾向があります。

二つ目は茶色に残る色素、いわゆる炎症後色素沈着です。ガルデルマ社が米国の臨床試験登録システムに公開したトリファロテンの試験プロトコル(2021年)は、この色素が表皮と真皮のどちらか、あるいは両方に蓄積しうると記述しています。表皮ではメラニン産生が増えた状態、真皮では基底層の損傷でこぼれ落ちたメラニンをマクロファージが抱え込んだ状態です。同じ文書は、この色素が消えるまで数か月かかることがあると述べています。表皮の色素と真皮の色素は深さが違うため、必要な波長も回復期間も変わってきます。

三つ目は凹んだ瘢痕です。色ではなく構造の問題で、真皮のコラーゲンを再び満たすアプローチが必要になります。

この三つが一つの顔に混在しているケースが最も多く見られます。だからこそ、診断なしに「ニキビ跡パッケージ」としてひとまとめにすると、三つのうち一つには合っていても、残り二つには危険な組み合わせになりがちです。

まだニキビが出ているなら、そこから始めます

色素の相談で来院されたのに、フェイスラインや額に新しい炎症が見つかることがあります。この場合、最初に手をつけるべきは色素ではなく炎症です。

皮膚科系メディアDermatology Timesが2026年にまとめた専門家パネルの議論は、ニキビによる色素沈着を扱う際は活動中のニキビと色素を同時に管理する必要があり、炎症を放置したまま色素だけを治療しても効果は出ないとまとめています。同じ議論では、外用レチノイドが第一選択として、サリチル酸系が角質ケア目的として挙げられています。

理由は単純です。新しい炎症が出続けている間は、色素の供給が止まりません。薄くする速度より新たに濃くなる速度が速ければ、何回受けても状態は変わりません。

色素が残る肌に強いレーザーを先に使うとどうなるか

剥離系レーザーは瘢痕の質感改善で長く使われてきた方法です。Lasers in Surgery and Medicineに2025年に掲載された論文は、フラクショナルCO2レーザーを萎縮性ニキビ瘢痕の標準的な再建方法として説明する一方、フィッツパトリック分類III型以上の肌では炎症後色素沈着が使用の限界を決める要因になると指摘し、アジア人を対象とした複数の報告で施術後の色素沈着が単回の施術後でも55%、多いものでは92%観察されたと引用しています。日本、台湾、中華圏の患者の多くはこの範囲に含まれます。

同じ論文は、非剥離系フラクショナルレーザーと高周波マイクロニードリングは色素沈着リスクが低いため広く使われるようになったものの、真皮再建の効果ではCO2レーザーに及ばないと整理しています。選ぶ基準は機器の優劣というより、今この肌が受け止められる熱量かどうかです。

色素専用レーザーも安全地帯ではありません。Journal of Dermatological Treatmentに2024年に掲載された無作為化比較試験は、532nmQスイッチレーザーで色素病変を治療したあと、施術後の紅斑と日中の屋外活動が炎症後色素沈着発生の予後因子だったと報告しています。同研究では施術2週間後から外用治療を始めた群の色素沈着発生率が31.0%で、始めなかった群の55.3%より低い結果でした。施術そのものと同じくらい、施術後の2週間をどう過ごすかが結果に影響します。

Lasers in Surgery and Medicineに2025年に掲載された症例シリーズは逆方向のリスクも示しています。2021年から2025年にかけて796名が3,096回のピコ秒レーザー治療を受ける中で、0.38%に脱色素(色が抜けすぎる状態)が現れ、6か月間の経過観察でも十分な再着色が見られませんでした。低出力かつ十分な間隔を守った場合でも起こっています。

レーザーが常に一番手とは限りません

Frontiers in Medicineに2023年に掲載された無作為化比較試験は、フィッツパトリックIII〜IV型の患者において、1064nmピコ秒Nd:YAGレーザー、755nmピコ秒アレキサンドライトレーザー、そして2%ハイドロキノン外用剤のいずれも色素重症度のスコアを有意に下げたと報告しています。Dermatologic Surgeryに2023年に掲載されたネットワークメタ分析は20件の研究、1,182名を分析したうえで、外用薬と1064nmピコ秒レーザーを併用した治療が最も良い結果を出したと報告しています。

色素治療は外用ケアと紫外線対策が土台を作り、その上に施術が速度を加える構造です。機器一台の性能だけで全体の期間が決まるわけではありません。

色素と凹み跡が同時にある場合、私たちが中間段階としてよく組み込むのがポリヌクレオチド系の注射です。Annals of Dermatologyに2025年に掲載された韓国国内の皮膚科医を対象にした調査では、回答者の53.8%が小じわや毛穴、乾燥を含む全般的な肌再生目的でPN注射を使うと答え、30.8%はニキビ瘢痕を含む陥凹性瘢痕に使うと答えました。Journal of Cosmetic Dermatologyの2024年施術者調査では、PN注射が国内で最も広く使われているスキンブースター区分(88%)だったと報告されています。私たちはこの目的でリジュランを運用しています。熱を大きく上げずに肌状態を整えておくと、そのあとの色素や質感施術をより低い強度から始められます。

私たちが順番を組み立てる四段階

部位ごとに条件は違っても、判断の骨格は次の四段階で共通しています。

1段階目、何が残っているかを分ける

赤み、茶色の色素、凹み跡の比重を確認し、色素が表皮にあるのかもっと深いのかを見ます。活動中の炎症があれば、ここで一度立ち止まります。

2段階目、炎症とバリアを先に整える

新しい病変が減り、刺激への反応が落ち着くまでがこの区間です。この段階を飛ばすと、その後のすべての施術で色素沈着リスクが上がります。

3段階目、色素を薄くする

紫外線対策と外用ケアを基本に置き、必要な分だけ低い強度から始めて反応を見ながら調整します。一度で大きく消そうとする設定は反動を招きます。

4段階目、質感に取り組む

凹み跡と毛穴は最後です。色素が整った肌は同じ施術を受けても色素沈着に戻る確率が下がります。この段階でポテンツァのような高周波マイクロニードリングや、リジュラン系の注射を状態に合わせて配置します。

この骨格は部位ごとに違う形で当てはまります。頬は凹み跡中心、フェイスラインは色素中心というケースがよくあり、同じ顔の中でも部位によって段階がずれているのが普通です。たるみと色素が同時にある場合の順番は「40代のくすみとたるみ、施術はどちらを先に受けるべきですか」(江南UH CELLクリニック公開記事)で別に扱っています。

2泊から7泊、何を削るべきか

私たちを訪ねる患者さんの約9割は海外から施術を目的に来院されます。日本、台湾、中華圏、英語圏から来られ、滞在は多くの場合2日から7日です。この条件では、順番の問題に加えて日程の問題が重なります。

逆算の起点は帰国日です。赤みや腫れが残った状態で長時間のフライトに乗ったり、施術翌日に一日中屋外の予定をこなしたりすると、先ほど触れた研究が指摘したリスク要因とそのまま重なります。日中の屋外活動は施術後の色素沈着の予後因子でした。

だからこそ、滞在が短いほど項目数を増やすより絞ることを私たちは勧めています。回復が短い項目を先に、反応が長く続く項目を後ろに置きつつ、帰国日と重ならないよう配置します。韓国滞在中に色素の段階まで進め、質感の段階は次回訪問に回す設計もよく使います。このとき、どの強度で何を行ったか、次回はいつ予約すべきかを記録としてお渡ししています。

施術後の数日をどこで過ごすか

私たちの江南院はUH FLAT SIGNATURE江南ホテルの建物2階と3階にあります。この構造が色素の問題にとって持つ意味は具体的です。施術直後、紫外線と移動を避けたい時間帯にロビーを通って客室へ上がる動線が成立します。酸素カプセルとビタミン点滴はホテル宿泊者に無料で提供しており、回復期間を宿泊先の中で続けられます。施術自体は個室で行います。

相談時の言語も順番の判断に直接関わります。江南院には日本語、中国語、英語の通訳スタッフが常駐しています。今の肌にあるのが赤みなのか茶色の色素なのか、なぜ今回はその施術を行わないほうがいいのかを母国語で理解して帰っていただくことが、次の街で別の組み合わせを受けてしまうリスクを減らします。

施術後に想定と違う反応が出たときの連絡先や対応の流れは「施術後にトラブルが起きたら、どこにどう伝えればいいですか?」(江南UH CELLクリニック公開記事)にまとめています。

初診で私たちが最初に確認すること

初診で私たちが尋ねる順番はおおむね決まっています。今新しいニキビが出ているか、直近3か月以内に他院で受けた施術があるか、服用中の薬があるか、最近どれくらい日光に当たったか、そして帰国はいつかです。

最後の質問は臨床的には些細に見えるかもしれませんが、回復期間をどこに置くかがここで決まります。私、江南院代表院長キム・ヨンジンはソウル大学大学院を卒業し、ソウル大学病院で研修を受け、アラガン社のfacultyおよびポテンツァ・ウルセラのZ Key Doctorとして活動してきました。診断から設計、施術、経過確認までを一人で続けて見るのは、これらの判断が互いに連動しているからです。

FAQ

赤みと茶色の色素は自分で見分けられますか

大まかな見分けは可能です。赤み系は血管反応に近く、茶色系はメラニンが残った状態です。ただし両方が重なっているケースが多く、茶色の色素が表皮にあるのかもっと深い層にあるのかは見た目だけでは判断しにくいところがあります。この深さが波長や強度、施術間隔を決めるため、診察で確認するほうが正確です。

色素が薄くなるまで何回、どれくらいかかりますか

病変の深さと肌状態によって異なります。ガルデルマ社のトリファロテン試験プロトコル(2021年)は、ニキビ部位の色素沈着が消えるまで数か月かかることがあると記述しています。またDermatologic Surgeryの2023年ネットワークメタ分析では、外用薬と1064nmピコ秒レーザーを併用した治療が最も良い結果を示したと報告されています。回数だけで期間を縮めようとするより、日常のケアを並行するほうが総期間は短くなります。

施術後に観光の予定が入っているのですが大丈夫でしょうか

鍵になるのは紫外線への曝露時間と刺激の強さです。Journal of Dermatological Treatmentの2024年研究では、施術後の紅斑と日中の屋外活動が色素沈着発生の予後因子でした。屋外の予定が多い日の前後には色素系の施術を配置せず、紫外線対策と室内での休息時間を確保する方向で順番を調整します。

複数の施術を一度にまとめて受けたほうが効率的ではありませんか

パッケージ構成は費用や予約の都合で組まれることが多く、臨床的な順番とは別の論理です。色素が残る肌に熱と剥離刺激を同じ日に重ねると、回復期間が延び、色素沈着のリスクが上がります。私たちは同じ日に併用する項目と回数を分ける項目を、肌状態と残りの滞在日数に応じて分けてご案内しています。

ニキビ跡と色素沈着が同時にある状態なら、どの施術を受けるかを決める前に、今の肌がどの段階にあるかから確認することをお勧めします。江南院・瑞草院の相談予約はuhcell.comからご案内しており、日本語・中国語・英語での相談が可能です。