リジュランと水光注射の違いは?成分系統で見るスキンブースター選び方

2026年8月30日

  • スキンブースター注入

TL;DR: スキンブースターは大きく4つの成分系統に分かれます。水分と肌理を狙うヒアルロン酸系(水光注射・スキンバイブ)、真皮の環境そのものに働きかけるポリヌクレオチド系(リジュラン)、時間をかけて反応が蓄積するコラーゲン刺激系(ジュベルックのPDLLA、スカルプトラのPLLA)、そして製品ごとに構成が異なる複合製剤です。「顔が疲れて見える」という一言の中には水分不足、小じわ、ボリューム減少、色素沈着が混ざっているため、まず原因を分けなければ候補は決まりません。ボリュームを満たすフィラーと、肌質そのものを狙うスキンブースターは、目的からして異なります。

こんにちは。UH CELL瑞草院で代表院長を務めておりますキム・ギョンスです。私は韓国と日本、両方の医師免許を持って診療にあたっており、日本からお越しになる患者さまの診察も自分自身で担当しています。診察室で最もよく受ける質問のひとつが「リジュランと水光注射、何が違うのですか」というものです。多くの方が二つの施術を同じ棚に並べて、どちらが優れているかを尋ねられますが、私はお答えする前にまず成分系統を分けてご説明しています。製品名はブランドにすぎず、肌の内部で実際に何が起きるかを決めるのは成分と注入する層だからです。系統が整理されると「自分の悩みにはどちらが候補になるか」という問いへ自然に進めます。

成分系統で見るスキンブースターの全体像

2026年にJournal of Cosmetic Dermatology誌に掲載されたスキンブースターに関する総説は、この分野の製剤をヒアルロン酸、生体刺激ポリマー、水酸化リン酸カルシウム、ポリヌクレオチド、自己血由来製剤などに分類し、作用機序を水分補給、新生コラーゲン形成、弾性線維形成、血管新生、抗炎症反応に整理しています。同じ総説は同時に、研究間のばらつきと標準化されたプロトコルの不在を限界として指摘しています。つまり系統ごとの方向性はある程度整理されているものの、「何回を何週間隔で」に相当する標準的な答えはまだ文献上確立されていません。下の表にある回数構成は、唯一の正解としてではなく参考の目安として読んでいただきたいと思います。

系統 主成分 狙うもの 変化確認の時期(文献・承認基準) 一般的な回数構成 瑞草院のラインナップ
ヒアルロン酸 架橋・非架橋ヒアルロン酸 水分、肌の滑らかさ、肌理 VYC-12を用いた前向き研究では、滑らかさは6か月、水分指標の改善は9か月まで維持 専門家パネルの合意基準で初期最大3回、その後4〜6か月間隔で維持 スキンバイブ、水光系
ポリヌクレオチド サケ・マス由来の精製DNA分画(PN・PDRN) 真皮の環境、結果として現れるハリ 系統的レビューでしわ・肌理・ハリの改善が報告されているが、根拠の質は低度から中程度 研究ごとに部位・手技のばらつきが大きく標準回数は未確立 リジュラン
コラーゲン刺激 PDLLA、PLLA 時間をかけて現れる真皮のリモデリング PLLAは複数回の施術を経て段階的に反応が蓄積する製剤として記述 PLLA臨床プロトコル基準で約1か月間隔3〜4回を1セットとする ジュベルック、スカルプトラ
複合製剤 製品ごとに構成が異なる 製品ラベルにより異なる 製品ごとに根拠の水準が異なり一括した記述は難しい ご相談時に確認 ビタラン、リリード

表に記した維持期間は臨床研究で観察された平均的な経過です。実際には年齢、肌の厚み、施術部位、生活習慣によって個人差があります。

「疲れて見える肌」を4つの軸に分けると

鏡の前で感じる疲れた印象は、たいてい一つの原因だけではありません。診察では、この訴えを次の4つの軸に分けて確認しています。

水分と肌理の軸では、洗顔直後につっぱりが強く、保湿剤を塗ると肌理が目に見えて整うタイプが当てはまります。この軸が主な悩みであれば、ヒアルロン酸系が第一候補になります。米国FDAは2023年、頬の肌の滑らかさ改善を目的にスキンバイブを承認しました。製造元のアラガン・エステティックスは、最適な条件で施術した場合6か月まで効果が持続すると案内しています。

小じわとハリの軸は、無表情のときでも目元や口元に細かい線が残り、保湿だけでは十分に改善しない場合です。真皮の環境に働きかけるポリヌクレオチド系や、コラーゲン刺激系が候補に入ります。

ボリュームの軸は、頬の前方やこめかみが凹んで影ができる状態です。肌表面の肌理の問題とは層が異なり、コラーゲン刺激系やフィラーが検討対象になります。

色素の軸、つまりシミやくすみ、全体的なトーンの低下は、スキンブースターが狙う軸ではありません。この部分はレーザーや別の治療領域で扱うべきで、肌理が整って印象が明るく見えることはあっても、色素そのものが目標にはなりません。診察でこの区別を先に済ませておかないと、施術は計画通り進んだのに期待していた変化とずれてしまうことが起こります。

水光注射とリジュランがそれぞれ狙うもの

最も多く受ける比較なので、ここで改めて整理します。

水光注射と呼ばれるヒアルロン酸系は、真皮に微細に分けたヒアルロン酸を注入し、水分保持量と表面の滑らかさを狙います。ヒアルロン酸には周囲の水分を引き寄せる性質があり肌のハリに関わるほか、組織内で物理的に容積を占める働き方をするため、施術直後から肌理の変化を実感する方もいます。Journal of Drugs in Dermatology誌に2018年に掲載された専門家パネルの合意は、初期に最大3回まで施術したあと4〜6か月間隔で維持する構成を推奨し、初回以降も反復施術を通じて肌理が段階的に改善すると述べています。

リジュランに代表されるポリヌクレオチド系は、サケやマスから得た精製DNA分画を真皮に注入し、組織の回復反応を利用する製剤です。Journal of Cutaneous and Aesthetic Surgery誌の総説によれば、2014年にリジュランがスキンブースターとして使用された最初のポリヌクレオチド製剤でした。水分を即座に満たす方式ではなく真皮の環境そのものに働きかける方式であるため、評価する時期を後ろに設定する必要があります。

根拠の重みについても率直にお伝えしたいと思います。2025年にJournal of Cosmetic Dermatology誌に掲載されたポリヌクレオチドの系統的レビューは、条件に合致する研究9本、合計219人を分析し、含まれた研究の質を低度から中等度と評価しました。しわの減少や肌理・ハリの改善では有意な結果が報告されたものの、注入部位や手技のばらつきが大きく、最適な使用法についての合意は限定的だと結論づけています。まとめると、方向性は一貫しているものの「何回が正解」と言い切れるだけの根拠はまだ十分ではありません。

そのため二つの施術に優劣をつけるより、今の悩みの重心が水分と表面の肌理にあるのか、真皮の状態にあるのかを先に決める方が実用的です。両方の軸が同時にある場合も珍しくなく、その際は順序と間隔をどう組むかが診察の主題になります。

コラーゲン刺激系だけの時間軸

ジュベルックのPDLLA、スカルプトラのPLLAのようにコラーゲン刺激を目的とする製剤は、時間の考え方が異なります。注入された微粒子が組織反応を誘導し、その結果が蓄積していく方式であるため、施術直後の見た目が最終結果ではありません。施術当日はむくみでボリュームが出たように見えて数日後に落ち着くという経験をされる方もいますが、この系統の評価は数週間から数か月後に行うのが適切です。

PLLAを扱ったClinical, Cosmetic and Investigational Dermatology誌の総説は、この製剤を複数回の施術を経て作用する長期型のコラーゲン刺激剤として記述しており、承認の経緯も1999年に欧州、2004年に米国FDAが脂肪萎縮の適応で、2009年にしわの適応で承認したと整理しています。回数構成は臨床試験のプロトコルから推測できます。ClinicalTrials.govに公開されているPLLAの臨床試験プロトコルは約1か月間隔の最大3回の施術を1セットと規定しており、別のプロトコルでは最大4回としています。

有害事象についても系統の特性に沿っています。2024年に報告されたPDLLAの肉芽腫症例論文は、結節や肉芽腫がコラーゲン刺激剤のまれな有害事象として報告されてきたとし、発生時期はおおむね施術後1〜2か月であると記述しています。まれなことではありますが、施術からしばらく経って何か触れるものができたときに「施術とは関係ないだろう」と流さないでいただきたい理由がここにあります。しこりや続くむくみ、痛みがある場合は、施術を受けた医療機関で確認を受けてください。

フィラーとの境界線はどこか

この区別が診察で最もずれやすい点です。フィラーは組織の中で容積を占め、凹んだ部分を満たして輪郭を作る施術です。スキンブースターは肌そのものの質、つまり水分・肌理・ハリを狙います。そのため頬の前方が凹んで影ができている方にヒアルロン酸系スキンブースターだけを繰り返すと、肌理は整っても影は残ります。反対に肌理が粗く乾燥している方にフィラーだけを入れると、輪郭は整っても肌表面の悩みは残ってしまいます。

二つの施術を同じ日にまとめて行える場合もありますが、部位と注入する層が重なると回復反応の原因が判別しにくくなるため、診察で順序を決めています。参考までに、瑞草院ではフィラーの価格をサイトの診療費用ページに公開しています。2026年8月時点で、国産アティエル1ccが150,000ウォン、輸入製品であるジュビダーム・レスチレン・ベロテロは1ccあたり390,000ウォンです。スキンブースターは製品と容量の構成によって金額が変わるため公開一覧には一括掲載しておらず、相談チャンネルでお問い合わせいただければご案内しています。

施術後のケアはなぜこの項目なのか

瑞草院がご案内している施術後の注意事項は、紫外線対策と保湿、そして1週間のサウナ・温泉・激しい運動・飲酒・喫煙の回避です。これらは慣習的な文言ではなく、注射施術の回復反応と直接つながっています。

ヒアルロン酸注入製剤の多国籍臨床試験プロトコルは、施術後24時間は激しい運動、過度な日光や熱への曝露、飲酒を避けるよう案内しています。プロトコルはその理由として、こうした曝露が注射部位の一時的な発赤、むくみ、かゆみを引き起こす可能性を挙げています。同じプロトコルは、施術後1週間はマッサージ、温泉やサウナの利用、水泳を避けるよう規定しています。

熱は局所の血流を増やしむくみや赤みを大きくすることがあり、飲酒も同じ方向に働いてあざが長く残る可能性を高めます。注射痕が残っている状態で紫外線に繰り返しさらされると色素沈着が残ることがあるため、紫外線対策が必要です。旅行の日程の中で施術を計画されている場合は、施術の翌日に温泉やチムジルバンを予約していないか事前にご確認ください。私たちが診察で日程を先にお尋ねするのも、この理由からです。

ご来院前に整理しておいていただきたいこと

✅ CHECK POINT

  • 直近1年以内に受けた注射施術の製品名、部位、時期
  • 製品名が分からない場合は、施術を受けた場所の領収書や案内書
  • フィラー施術の経歴と注入部位(スキンブースターの注入層決定に影響します)
  • あざができやすい体質かどうか、抗凝固薬やアスピリン系の服用の有無
  • 予定している旅行や行事の日程、サウナや水泳の計画
  • 優先順位、水分と肌理なのか、小じわとハリなのか、ボリュームなのか

製品名を把握しないまま来院される方は少なくありません。特に複数の国で施術を受けてこられた場合にそうなりがちです。瑞草院では施術に使用する機器・注射剤・薬品が正規品であることを、患者さまの前で開封して確認していただく手順を守っています。開封をご自身の目で確認し製品名を覚えておいていただくと、次の施術を計画するときや別の医療機関で診察を受けるときに、ご自身の経歴を正確に伝えられます。予約の進め方については瑞草のUH CELLクリニック予約は何日前にLINEで送るべきかで詳しくご案内しています。

瑞草院で施術の順番を決める流れ

私たちは診察でお肌の状態を直接拝見し、系統を決めています。どの軸の悩みかを分け、施術歴と滞在日程を確認したうえで、回数構成と評価時期を一緒に定める順番です。診察した医師がそのまま施術まで担当するため、診察で立てた判断がそのまま施術に引き継がれます。瑞草院の医療者ページに登録されている医師は私一人です。

日本語・中国語・英語の通訳スタッフが瑞草院に常駐しており、製品名や回数のご案内など正確な伝達が必要な部分は通訳とあわせてご確認いただけます。リフティング施術の料金の仕組みを先にご覧になりたい方はリフティング施術の料金はなぜ違うのかをご参照ください。

よくある質問

リジュランは通常何回受けますか

文献上の標準回数はまだ確立されていません。2025年のJournal of Cosmetic Dermatology誌のポリヌクレオチド系統的レビューは、含まれた研究の間で注入部位や手技のばらつきが大きかったと述べ、最適な使用法についての合意は限定的だと結論づけています。実際の回数は肌の状態と目標によって診察で決定し、個人差があります。

水光注射を受けた翌日に飛行機に乗っても大丈夫ですか

搭乗自体を禁じる根拠はありません。ただし注射部位に赤みや軽いむくみが残る場合があるため、機内の乾燥や長時間の移動を考えて保湿と紫外線対策をされるとよいでしょう。到着後に温泉やサウナのご予定がある場合は調整が必要です。ヒアルロン酸注入製剤の臨床試験プロトコルは、施術後1週間は温泉やサウナを避けるよう案内しています。

フィラーとスキンブースターを同じ日に受けられますか

部位と注入する層によっては可能な場合があります。ただし同じ部位に重ねて行うと、その後現れる反応がどちらの施術によるものか判別しにくくなります。私たちは診察で二つの施術の優先順位と間隔を先に決めています。

シミやくすみもスキンブースターで良くなりますか

色素はスキンブースターが狙う軸ではありません。結果として水分が整い印象が明るく見えることはありますが、色素の病変自体はレーザーを含む別の治療領域で判断します。診察で二つの軸を分けて計画を立てられることをお勧めします。

いつから変化が見えますか

系統によって異なります。ヒアルロン酸系は比較的早い時期に肌理の変化を感じる方がいる一方、コラーゲン刺激系は組織反応が蓄積する方式のため評価の時期を後ろに設定します。どの系統でも効果の程度と持続期間には個人差があり、施術前に結果を断定してお伝えすることはありません。

診療案内

  • UH CELL瑞草院
  • 住所: ソウル特別市瑞草区盤浦大路16キル30 ソチョロイウムジゼル(UHフラット・ザ・瑞草アネックス)1階
  • 電話: 02-2135-4393
  • 診療時間: 月〜金 10:00〜20:00(受付終了18:30)・土日 10:00〜18:00(受付終了16:30)・昼休みなし
  • アクセス: 地下鉄3号線南部ターミナル駅6番出口徒歩6分・駐車場基本2時間無料
  • ご予約: カカオトーク・LINE・WeChatの相談チャンネルより、来院2〜3日前のご予約をお勧めしています。韓国の電話番号がなくてもご予約いただけます。
  • 通訳: 日本語・中国語・英語通訳スタッフ常駐
  • ホームページ: https://seocho.uhcell.com/

施術後のむくみや赤みが想定より長く続く場合や、しこりに触れる場合は、自己判断せず診療時間内にご連絡ください。