帰国前に避けたい施術と、メイクを再開できる時期の目安

2026年8月31日

  • スキンケア

帰国前に受けても平気な施術、数日空けたい施術

TL;DR: 機内は湿度10%前後の乾燥、長時間座ることによる体液のたまり、地上より低い気圧という3つの条件が重なります。針跡だけが残る施術は当日から翌日にはメイクで隠せることが多く帰国前日でも入れやすい一方、熱を使うリフティングは赤みや腫れが1〜2日出ることがあるため余裕を見ておきたい施術です。かさぶたが残るレーザー系は数日前に終えるほうが安全で、最終的な日程は施術部位と強さを診察で確認して決めます。

皆様、瑞草UH CELLクリニック代表院長の金京洙です。日本と韓国、両方の医師免許を持って診療しています。「出張の前に受けても大丈夫な施術は何ですか」「帰国便の前日でも平気でしょうか」「何日経てばメイクができますか」というご質問を、診察のたびといっていいほどいただきます。

先にお答えすると、判断は2つの表を重ねて見ることに尽きます。ひとつは飛行機が体に起こす変化、もうひとつは施術が皮膚バリアにどんな種類の負担を残し、それが何日目立つかです。この2つが重ならない期間に施術を置けば、日程はぐっと楽になります。

機内で起きる3つの変化

まず乾燥です。巡航高度の外気にはほとんど水分が含まれず、客室内の空気は非常に乾いた状態が続きます。米国科学アカデミーの委員会がまとめた航空機客室環境の報告書(NCBI Bookshelfに収録)では、客室相対湿度は通常10〜20%台にとどまると説明されています。実測値はさらに低く報告されることもあります。

この乾燥が肌に与える影響を実際に測定した研究もあります。2011年に発表された研究(学術誌Skin Research and Technology掲載、PubMedに収録)では、長距離便で客室相対湿度が離陸後2時間以内に10%を下回り、そのままフライト中ずっとその水準にとどまり、参加者の皮膚表面水分量の指標がフライト中に低下したと報告されています。参加者8名という小規模な研究のため、数値そのものより「乾燥する方向に動く」という傾向として読むのが妥当です。

次に、長時間座り続ける姿勢です。オーストリア・インスブルック医科大学の研究チームが発表した模擬長距離フライトの研究では、機内座席に10時間座り続けた場合、下肢の容積が4時間の時点ですでに有意に増え、10時間でピークに達し、翌日には元の水準に戻ったと報告されています。顔のむくみと下肢のむくみは仕組みが同じではありませんが、体液が移動してたまる状況が施術直後の腫れと重なると、腫れがより長く目立つように感じられることがあります。

3つ目は気圧です。与圧されている客室でも、地上より圧力は低い状態です。この条件では組織内の水分がやや保持されやすく腫れが目立ちやすいという説明が臨床の現場では広く使われていますが、美容施術後の気圧変化の影響を管理された条件で検証した臨床試験は確認されていません。そのため私たちはこの点を「安全上の問題」ではなく「見た目の問題」としてご説明しています。

施術系統ごとの目立つ期間とメイクの目安

下の表は、皮膚バリアがどのように開くかを基準に分けたものです。時期はあくまで一般的な目安で、強さや部位、個人差によって前後します。

系統 代表例 残る痕跡 メイク再開の目安 帰国前日の実施
筋弛緩注射 ボトックス 針跡、まれに内出血 当日〜翌日 おおむね可能
スキンブースター・水光系 リジュラン、ジュベルック、スキンヴァイブ、ビタラン 微細な膨らみ、部分的な赤み、内出血 翌日前後 部位と注入量により条件付き
フィラー 国内・海外製ヒアルロン酸製剤 腫れ、内出血 翌日前後 可能だが、写真撮影の予定があれば余裕を推奨
熱を使うリフティング ウルセラ、サーマクール、ソフウェーブ、オリジオX、オンダ、シュリンク、インモード 赤み、腫れ、押された跡 概ね当日〜翌日 腫れが見えても構わない日程なら可能
非剥離性トーニング ピコトーニング 一時的な赤み 概ね当日〜翌日 おおむね可能
フラクショナル・かさぶた形成レーザー ピコフラクセル、フラクショナルレーザー 微細なかさぶた、赤み、皮むけ かさぶたが落ち着いた後 おすすめしません

注射系でメイク再開が早い理由は、損傷が針の太さ分の通路にとどまるためです。ただし、その通路が完全にふさがるまでの間は化粧品や道具が汚染源になり得るため、海外の臨床ガイドでは低侵襲な施術後は最低24時間、深さがあったり熱を伴ったりする場合は48〜72時間はメイクを控えるよう案内されることが多くあります。米国クリーブランド・クリニックのボツリヌストキシン管理の案内では、施術直後の数時間は上体を起こした姿勢を保ち、施術部位をこすらないよう勧めています。この条件は、実は飛行機の座席のほうが守りやすいものです。

レーザー系は性質が異なります。フラクショナルレーザーの作用と回復過程を扱った遺伝子発現の研究(PMCに収録)では、フラクショナル方式の再上皮化にかかる期間は全面剥離型のレーザーよりもかなり短いと記述されています。それでも微細な痕跡は数日残ります。細かなかさぶたと皮むけが数日かけて落ち着く間はファンデーションがきれいにのらず、乾燥した機内では皮むけがさらに目立ちやすくなります。私たち瑞草院では、かさぶたができる系統は帰国前日には入れません。

出発直前が不利になる理由

乾燥は、回復途中の皮膚でより強く感じられます。施術で角質層が薄くなったり微細な通路が開いたりしている状態では水分が抜けやすく、そこに10%前後の湿度が数時間続くと、つっぱり感やヒリつきが普段より強く出ます。この期間はシンプルな保湿剤をこまめに重ねる程度のケアが適しています。

腫れは、施術がつくる炎症性のむくみと、姿勢がつくる体液のたまりが重なったときに目立ちます。目の下や頬、フェイスラインのように元々むくみが見えやすい部位は、座っている時間が長いほど朝の状態と違って感じられることがあります。

内出血は時間の問題です。色が薄くなるまでに数日かかり、その間に色調が変わっていきます。大切な会議や撮影がある出張であれば、注射系であっても数日の余裕を見ておくほうが安心です。

午前に施術、夜に帰国便というケース

実際の診察で最もよく相談されるパターンです。判断の順番は次の通りです。

✅ CHECK POINT

  • 施術部位が顔の中央(目元・口元)か、輪郭ラインか
  • フライト時間は何時間か、到着後すぐ予定があるか
  • 到着当日に写真や会議など顔が見える予定があるか
  • 内出血ができやすい体質か、抗凝固薬など関連する薬を服用中か
  • 直近に別の施術を受けてからどのくらい経つか
  • これまで施術後の赤みが長く続いたことがあるか

この6項目すべてに余裕があれば、筋弛緩注射、少量のスキンブースター、非剥離性トーニング程度は、当日夜の便と組み合わせて予定できます。反対にどれかひとつでも厳しければ、系統を軽くするか日程を1日前倒しするようお勧めしています。結果を確認して必要なら調整する時間を残しておく必要があるためです。

機内でできるケアはシンプルです。保湿剤をこまめに塗り直し、水をこまめに分けて飲み、座席で可能な範囲で足首や脚を動かし、座席を完全に倒すよりも上体をある程度起こしておくほうがむくみの面では有利です。先ほど触れたインスブルックの研究で、着席により増えた下肢の容積が翌日には元の水準に戻っていたという結果は、このむくみが多くの場合一時的に通り過ぎる変化であることを示しています。

出張中の短い来院で選べる施術

私たち瑞草院は平日10時から20時まで(受付締切18時30分)、土日も10時から18時まで(受付締切16時30分)診療しており、昼休みを設けていません。そのため日中や仕事終わりの来院にも対応できます。ただし「お昼休みに受けてすぐ職場に戻れる」と所要時間を一律にお約束することはしていません。部位や強さによって準備や麻酔、施術時間が変わるためです。

短い来院で現実的に選ばれるのは、痕跡が小さい系統です。筋弛緩注射、少量のスキンブースター、赤みが短時間で引くトーニングがこれにあたります。反対に経過観察が必要な系統は滞在初日に済ませ、帰国前にもう一度状態を確認する順番のほうが安心です。ソウル滞在中にどの順番で施術を組むかは、施術後の回復、帰国後のフォローまでどうつながりますかにも回復段階別にまとめています。空港からの移動が気になる方は、仁川空港から瑞草UH CELLクリニックまでの行き方と予約のタイミングもあわせてご覧ください。

施術後の共通の注意点は系統に関わらず同じです。紫外線対策と保湿は継続していただき、1週間程度はサウナや温泉、激しい運動、飲酒・喫煙を控えます。異常を感じた場合は自己判断で対処せず、必ず医療スタッフにご確認ください。私たちはカウンセリングから施術まで同じ医師が担当するため、帰国後も予約に使ったご相談窓口から経過をお問い合わせいただけます。

FAQ

フィラーを注入した翌日に飛行機に乗っても大丈夫ですか?

搭乗そのものを禁じる根拠は確認されていません。ただし気圧・乾燥・長時間の着席が重なることで腫れがより長く目立つことがあるという臨床経験レベルの説明が広く用いられています。管理された臨床試験の裏付けがある領域ではないため、私たちはこれを回復途中の見た目の問題としてご説明し、見た目が重要な予定がある場合は数日の余裕を勧めています。

レーザー施術の後、機内でシートマスクを使ってもいいですか?

かさぶたや皮むけが残っている時期にはお勧めしません。シートマスクは密閉状態をつくり、香料やアルコールを含む製品もあるため、回復途中の肌を刺激する可能性があります。この時期はシンプルな保湿剤を薄く何度も重ねるほうが安全です。

むくみを早く引かせる方法で根拠があるものは何ですか?

現場で比較的根拠が単純な方法は、冷却と頭を心臓より高く保つ姿勢、そして着席中の脚の運動です。先ほど引用した模擬フライトの研究で、着席によって増えた下肢の容積が翌日には回復していたという結果も参考になります。冷却は強く押し当てず、短く分けて当ててください。施術部位や系統によっては冷却が適さない場合もあるため、施術を受けた場所の案内を優先してください。

回復中は避けたほうがよい化粧品成分はありますか?

レチノイド、角質ケア用の酸成分、高濃度ビタミンC、香料の強い製品は回復初期の刺激になりやすく、海外の臨床ガイドでも一定期間の使用中止を勧めるケースが多くあります。再開の時期は施術の強さと肌の反応によって異なるため、診察でご確認ください。

施術を受けたことが分からないように日程を組むには、まず何を決めればよいですか?

顔が見える予定の日をまず固定し、その日から逆算して系統を選ぶ順番が分かりやすいです。残りの日数が1日なら痕跡の小さい注射系、3日以上なら熱を使うリフティングまで、1週間以上あればかさぶたが残るレーザーまで選択肢が広がります。

ご相談窓口

瑞草UH CELLクリニック

  • 住所:ソウル特別市瑞草区盤浦大路16キル30 瑞草ロイウムジゼル(UHフラット・ザ・瑞草アネックス)1階
  • 電話:02-2135-4393
  • 診療時間:月〜金10:00〜20:00(受付締切18:30)・土日10:00〜18:00(受付締切16:30)・昼休みなし
  • 交通:地下鉄3号線南部ターミナル駅6番出口から徒歩6分・駐車場は基本2時間無料(超過分はスタッフにお申し付けください)
  • ご予約:来院の2〜3日前にカカオトーク・LINE・WeChatの相談窓口からのご予約をお勧めしています。当日のご予約も相談窓口にお問い合わせいただければ、対応可能な時間帯をご案内します。
  • 通訳:日本語・中国語・英語の通訳スタッフが常駐しています。

すでに帰国便が決まっている方は、出発日と到着後のご予定を先に教えてください。残りの日数に合わせて選べる系統から絞ってご案内します。