肝斑・色素沈着のレーザー治療は、帰国後の肌の変化まで考えましょう

2026年10月17日

  • 美肌レーザー

4泊5日のソウル滞在で肝斑や色素沈着の施術を選ぶときは、目に見えるダウンタイムだけで判断しないことが大切です。肝斑のレーザー治療を分析した系統的レビューでは、すべての患者さんに優れた結果を示す単一の機器は確認されておらず、低出力のトーニングには複数回の通院が必要とされています。また、レーザー治療には炎症後色素沈着(PIH)のリスクがあり、肝斑は再発しやすいことも報告されています。私は、滞在中の回復だけでなく、帰国後の数週間も含めて計画していただきたいと考えています。

こんにちは! ユーエイチセルクリニック 江南店(UHCELL Clinic Gangnam)代表院長のキム・ヨンジンです。

短いソウル滞在で施術を検討する際は、「旅行に支障が出ないよう、早く回復できる施術を選びたい」とお考えになるかもしれません。今回は機器に順位をつけるのではなく、研究で示されていることと、まだ断定できないことを整理し、帰国後まで見据えた考え方をお伝えします。

肝斑や色素沈着は、ダウンタイムだけでは判断できません

肝斑は、一度取り除けばそれで終わるものではありません。2026年1月までの文献を分析し、国際学術誌Cureusに掲載された系統的レビュー・メタ解析では、無作為化比較試験52件、参加者1,058人を分析しています。同レビューは、肝斑を紫外線、ホルモンの変化、遺伝的な素因が重なる複合的な状態と説明し、血管新生の増加、基底膜の損傷、真皮の炎症なども関わると整理しています。

同レビューでは、肝斑は長引きやすく再発も多いため、治療が難しいとされています。治療結果をまとめた解析では、統計的に明確な改善は確認されませんでした(平均差0.70、95%信頼区間:-0.55から1.95)。

一方、機器の種類ごとに分けた解析では結果が異なります。低出力QスイッチNd:YAGレーザーによるトーニングでは、肝斑の重症度が統計的に有意に低下しましたが、ピコ秒レーザーでは、対照群に比べて有意に優れた結果は示されませんでした。

ただし、同レビューは解析全体のエビデンスの確実性を「非常に低い」と評価しています。盲検化されていない研究が多く、研究間の結果のばらつきも非常に大きかったためです。私は、この結果を機器の優劣が確定したという意味ではなく、まだ結論が分かれる領域として受け止めていただきたいと考えています。

研究で報告された反応を、滞在計画にどう生かすか

機器の仕組みと、実際の効果や回復の速さは分けて考える必要があります。Cureusの同レビューで説明された特徴を、予定を立てる際の視点とともに整理します。

治療の種類 研究で説明されている特徴 滞在計画で考えたいこと
低出力Qスイッチレーザーによるトーニング 複数回の通院が必要で、反跳性色素沈着や、まだらな色素脱失のリスクがあるとされています。 1回の来院で治療を完了できるとは考えず、その後の治療も含めて検討しましょう。
ピコ秒レーザー 光音響エネルギーを利用し、熱による損傷を抑えるよう設計されています。ただし、今回のメタ解析では肝斑の重症度改善について対照群に対する有意な優位性は示されませんでした。 仕組みだけを理由に、トーニングより効果が高い、あるいは回復が速いとは判断できません。

また、2024年までの文献を分析し、Journal of Cosmetic Medicineに掲載されたレーザーとピーリングのメタ解析では、レーザーはピーリングより色素の改善効果が大きい一方、炎症後色素沈着(PIH)のリスクも高いと説明されています。特に、皮膚の色が濃いFitzpatrick分類IV-VI型で、そのリスクが目立つとされています。同解析は、ケミカルピーリングについて、効果の現れ方は緩やかですが、副作用が少なく、比較的安全と整理しています。

韓国を含むアジア人の肌にはこの分類に該当する場合が多いため、私は、短い滞在に合わせる目的だけで施術の強度を上げることには慎重であるべきだと考えています。

1人の症例報告から、どこまで分かるのでしょうか

イラク・バグダッドのメディカルシティのAli Al-Mamooriらが、2025年にJournal of Cosmetic Dermatologyで発表した症例報告があります。対象は、4年間治療に反応しなかった31歳の女性1人で、肌の分類はFitzpatrick IV型でした。

この患者さんには755nmのピコ秒レーザーを1回施術した後、ステロイド外用薬、続いてJAK阻害薬の外用と酸化鉄を含む色付きの日焼け止めを併用しています。報告では、色素が明らかに薄くなり、その状態が9か月目まで維持された後、徐々に再発したとされています。炎症後色素沈着や、その他の副作用は報告されていません。

ただし、これは患者さん1人の症例です。レーザー単独ではなく、外用薬と紫外線対策を組み合わせた結果でもあります。私は、この経過を「1回のレーザーで同じ結果が得られる」という約束として受け取らないでいただきたいと思います。

帰国後まで考えておきたい肌の変化

短期滞在では、ソウルにいる間に見える反応だけに目が向きがちです。しかし、次のような変化も考慮しておく必要があります。

  • 炎症後色素沈着(PIH):Journal of Cosmetic Medicineのメタ解析では、ピーリングと比べてレーザーでリスクが高く、特に色の濃い肌で注意が必要とされています。
  • まだらな色素脱失や反跳性色素沈着:Cureusのレビューでは、低出力のトーニング後に報告された反応として挙げられています。
  • 再発:Cureusのレビューは、肝斑治療全般で再発が多いと説明しています。施術直後だけでなく、時間がたってから確認される変化もあります。

そのため私は、「どのくらいで回復するか」と同時に、「帰国後はどの医療機関で、どのように管理を続けるか」まで考えておくことをおすすめします。

4泊5日なら、私はこのように考えます

1回で終わらせることを目標にしないでください

Cureusのレビューでは、すべての患者さんに優れた結果を示す単一の機器は確認されておらず、低出力のトーニングには複数回の通院が必要とされています。今回の来院を、肌の状態を確認し、治療の方向性を決める出発点として捉えるほうが現実的です。

肌の状態の確認は、滞在の早い時期に予定しましょう

到着後の早い時期に肌の状態を確認できれば、施術を受ける場合も、滞在中に初期の反応を見守る余裕が生まれます。私は、今回の滞在中にレーザーを受けるかどうかだけでなく、外用治療と紫外線対策から始める選択についても、受診先の医師と相談していただきたいと考えています。

帰国後の屋外活動も伝えてください

帰国直後にリゾート旅行や屋外での活動を予定している場合は、カウンセリングでお伝えください。施術の強度や時期を考えるうえで大切な情報になります。

当院では、画一的なパッケージではなく、一人ひとりの肌の状態を確認して施術を設計しています。同じ4泊5日の滞在でも、色素の種類、肌の色、帰国後の予定によって、検討する方向は異なります。

カウンセリングに向けて準備していただきたいこと

私は、次の情報を整理しておくことをおすすめします。

  1. 色素が気になる部位の写真:メイクを落とし、自然光の下で、正面と左右の側面から撮影してください。
  2. これまでの施術記録:受けたレーザーやピーリングの名称、時期、施術後に色が濃くなった経験があれば、その経過もまとめてください。
  3. 使用中の薬:美白の外用薬など、塗り薬と飲み薬の一覧を準備してください。薬の名前が分かる写真も役立ちます。
  4. 妊娠・出産に関する情報:妊娠や出産の予定、妊娠中や出産後に生じた色素かどうかもお伝えください。
  5. 入国日・出国日と帰国後の予定:屋外活動や旅行を予定している場合は、日程も一緒に整理してください。

このような変化があれば、待たずにご連絡ください

次の反応は、想定される経過から外れている可能性があります。様子を見続けず、ご連絡ください。

  • 腫れや赤みが時間とともに治まらず、むしろ強くなる場合。
  • 水ぶくれや浸出液が出る、または説明を受けていない皮膚の損傷が見られる場合。
  • 色が次第に濃くなり続ける、または新しい色むらが見られる場合。

帰国後であれば、写真で状態を記録してください。現地の医療機関を受診する際は、受けた施術の名称と日付もお伝えください。

江南店の院内の移動と、ご宿泊者向けの特典

当院の江南店は、UH FLAT SIGNATURE GANGNAMのホテル建物内にあります。このホテルに宿泊する場合は、施術後にタクシーや地下鉄を利用せず、同じ建物内で客室へ戻れます。施術は個室で受けていただくことも可能です。日本語・中国語・英語に対応できる通訳スタッフが在籍しています。

UHCホテルのご宿泊者は、酸素カプセル30分、またはビタミン点滴のどちらか一方を無料で選択できます。両方を利用する場合、ビタミン点滴は55,000ウォンです。両方が無料になる特典ではありませんので、対象条件も含めてご確認ください。

ホテルとクリニックの位置関係については、施術後の移動を含めた江南店の案内もご参照いただけます。

よくある質問|FAQ

ピコ秒レーザーは、レーザートーニングより回復が速いですか?

機器名だけでは判断できません。先ほどご紹介したメタ解析の重症度改善の数値は、回復の速さを直接比較した結果ではありません。施術する部位や設定、肌の反応によって回復期間は変わるため、私は日程と合わせて考えていただきたいと思います。

1回だけ受けて帰国しても意味はありますか?

肝斑は、通常1回で治療が完了するものではありません。Cureusのレビューでは、低出力のトーニングには複数回の通院が必要とされています。また、ピコ秒レーザー後に長く改善が続いた症例も、レーザー単独ではなく、外用治療と紫外線対策を併用した結果でした。私は、1回の来院を肌の状態の確認、治療方針の検討、帰国後の管理計画を立てる機会として活用していただくことをおすすめします。

帰国後は、どのような管理を続ければよいですか?

紫外線対策が基本になります。ご紹介した研究では、肝斑の管理において、施術に加えて紫外線対策や外用治療を続けることの重要性が説明されています。外用薬については、帰国後も現地の医療機関で処方と経過観察を受けてください。カウンセリングの際には、帰国後の予定と、治療を続ける環境についてもお伝えください。

※ 肌の反応や回復期間には個人差があります。正確な診察や施術内容については、医師にご相談ください。