海外から年1回来院、シミ治療の回数と間隔はどう決まる?

2026年9月17日

  • ピコレーザートーニング
  • |
  • 美肌レーザー

年に一度だけソウルにいらっしゃる方には、回数をそろえる計画よりも、一度の来院で終わる色素と終わらない色素を先に分けることをお勧めします。境界がはっきりした老人性色素斑やそばかすは単回の局所治療でも改善が報告されている一方、肝斑は文献上2〜12回を1〜4週間隔で重ねる設計が一般的で、一度の滞在では完結しません。そのため年1回来院される方にとっては、滞在中の回数よりも帰国後12ヶ月をどう維持するかが結果を大きく左右します。

こんにちは! ユーエイチセルクリニック 江南店(UHCELL Clinic Gangnam)代表院長のキム・ヨンジンです。アメリカから年に一度ほど韓国にいらっしゃる患者様とカウンセリングをしていると、何回受ければよいのかを最初に尋ねられることがよくあります。私はこの質問にすぐ数字ではお答えしません。「シミ」という言葉の中に、回復の経路がまったく異なる病変が混ざっているため、肌の状態を確認する前に回数を決めることはできないからです。

そのためカウンセリングはいつも同じ順序で進めます。どのシミが一度で片付き、どのシミがそうでないかを先に分け、次に文献が報告している回数と間隔の範囲を確認し、最後に滞在日数の中で何を組み込めるか、帰国後の11ヶ月をどう埋めるかを決めます。

一度の来院で終わる色素と終わらない色素

シミ治療の回数を分ける最初の要因は、機器ではなく病変の深さと性質です。

境界がはっきりして表皮にとどまる病変は、局所治療で比較的短く終わることが多いです。Lasers in Surgery and Medicine誌(2016年)に掲載されたタイの研究チームによる報告では、フィッツパトリック3〜4型の患者25名の老人性色素斑を単回治療で比較し、532nmのQスイッチNd:YAGレーザーがフラクショナル炭酸ガスレーザーよりも6週・12週の時点で色素の改善度が有意に大きいという結果が示されました。単回治療でも意味のある変化が観察される点は、年1回来院される方にとって重要な情報です。ただしこの治療は病変の上に薄いかさぶたを残し、それが自然に取れるまで数日を要します。

一方で肝斑は、表皮と真皮、血管の要素が絡み合った慢性的な状態に近いものです。一度の強い治療で片付けようとすると、かえって色素が戻ったり濃くなったりする危険が大きくなるため、私は低出力を複数回に分けて重ねる方法を用います。これが韓国の皮膚科でよく言われるピコトーニングの考え方です。Scientific Reports誌(2025年)に掲載された研究では、この低出力・多重照射の方式は概ね5〜10回を週単位から月単位の間隔で行う形で定着していると整理されています。

炎症後色素沈着、いわゆる跡についてはまた別の軸です。原因となる炎症がまだ続いている場合は、レーザーの回数を増やすよりも原因の管理を先に行います。

色素の種類 一度の来院で期待できる範囲 文献上の回数・間隔 年1回来院時の判断
老人性色素斑・境界明瞭なシミ 局所治療1回で意味のある改善が報告される。薄いかさぶたの管理期間が必要 単回治療比較研究で6週・12週の改善を確認(Lasers in Surgery and Medicine, 2016) 滞在中の完結を目標にできる軸
肝斑 1回では完結しない。最初の回の反応を確認する段階 2〜12回、1〜4週間隔(Journal of Cosmetic Dermatology, 2025) 滞在中に開始し、帰国後の維持が本編
全体的な肌トーン・浅い角質を伴う場合 ピーリング系で表皮層への介入が可能 反復実施を前提に設計 短期滞在に組み込みやすいが積み重ねが前提
炎症後色素沈着 原因となる炎症が残る場合は治療時期を遅らせるほうが安全 個人差が大きく一律の回数提示は難しい 肌の状態を確認する段階でまず見極める軸

文献が示す回数と間隔の実際

肝斑治療の回数について、私がカウンセリングでよく引用する資料がJournal of Cosmetic Dermatology誌(2025年)に掲載されたChehraraらによるシステマティックレビューとメタ分析です。16件のランダム化比較試験、患者471名を統合したこの分析では、治療回数は2回から12回、間隔は1週間から4週間の範囲に分布していました。最も多く研究された機器は1064nmのQスイッチNd:YAGレーザーで、治療前後のMASIスコアの標準化平均差は0.88(95%信頼区間0.65〜1.11)となり、統計的に有意な改善が確認されています。

この数字を患者様の立場に置き換えるとこうなります。肝斑にレーザーが効果を持つという方向性は複数の研究で一貫して報告されていますが、「何回か」という答えは研究によって2回から12回まで幅があります。標準プロトコルが確立されていないということであり、だからこそ私は回数を事前に約束せず、反応を見ながら調整します。

ピコ秒レーザーの領域も似た事情です。Lasers in Surgery and Medicine誌(2023年)に掲載されたBernsteinらの研究では、成人20名に1064nmのピコ秒レーザーを月1回の間隔で4回実施し、同じ機器を使った先行研究では4〜6週間隔で最大9回まで行った例も併せて紹介されています。回数の幅が広いこと自体が、同じ機器でも病変によって設計が変わるという根拠です。

短期間に回数を詰め込んではいけない理由

年1回の来院という条件をお伝えすると、今回の滞在の数日間で必要な回数をまとめて受けられないかと尋ねられることがあります。

この方法はお勧めしていません。Journal of Clinical and Aesthetic Dermatology誌(2019年)に報告された症例がその理由をよく示しています。研究チームは中国人患者23名に2ヶ月間、週3回の頻度でピコトーニングを実施したところ、2ヶ月が終わった時点で23名全員に両側性で斑状の低色素症が生じました。その後4ヶ月間の休止期間中も追跡できた13名のうち、色素が回復した人はいませんでした。研究チームは、一定間隔で頻繁にピコトーニングを繰り返す方式は避けるべきだと結論づけています。

低色素症は色素が薄くなった部分が白い斑点のように残る変化で、肝斑よりも元に戻すことが難しいものです。ですから私は、滞在日程がどれほど短くても肝斑のピコトーニングの回数を数日の中に圧縮することはありません。回数の間に必要なのは、肌が直前の刺激から十分に回復する時間です。

ここから導かれる結論は、正直なところ心地よいものではありません。肝斑を目標にした3泊4日の日程で完結を期待するのは難しいのです。滞在中にできることは、肌の状態を正確に確認し、最初の回を安全な出力で始めて反応を見て、帰国後12ヶ月続けていく計画を持ち帰っていただくことです。

帰国後の12ヶ月が結果を左右します

年1回来院される方に、私が最も丁寧に説明する部分です。

肝斑は治療をやめると戻る傾向がはっきりしています。Scientific Reports誌(2024年)に発表された維持療法の研究では、経口トラネキサム酸と複合クリームで2ヶ月間治療しmMASIスコアが64%減少した後、それまでの治療を中止すると、維持施術を受けなかった側の顔では11名中7名(63.6%)が6ヶ月時点で治療前の状態に戻りました。一方、同じ患者様のもう片方の顔にマイクロニードル高周波を毎月続けた場合は、改善が維持されました。

外用薬による維持の効果も報告されています。Lasers in Medical Science誌(2025年)に掲載された研究では、肝斑患者160名をレーザー単独群とレーザーに外用トラネキサム酸を加えた群に分け、6ヶ月と12ヶ月の再検査で併用群の肝斑面積がより小さいという結果でした。ただしこれは単一施設によるランダム化比較試験であり、薬剤の使用は個人の既往歴や禁忌によって判断が変わるため、カウンセリングで確認する項目として残しておくのが適切です。

アメリカからいらっしゃる方に私がお伝えしている助言はシンプルです。ソウルで受ける施術は1年間のケアの出発点であり、残りの11ヶ月は毎日の紫外線対策と処方された外用薬、そして可能であれば現地で続けられるケアで埋める必要があります。施術後の紫外線対策は最低でも数週間、毎日守るべき条件であり、これが守られなければ回数をどれだけ重ねても同じ場所からまた始めることになります。

滞在日程の中でどう設計するか

シミ治療は、施術直後の数時間と数日をどこで過ごすかが結果に直接関わります。かさぶたが残る局所治療を受けた日にソウル市内を長時間歩く日程はお勧めしにくく、ピコトーニングを受けた直後も紫外線を避けたほうが安全です。

当院江南店はUH FLAT SIGNATURE GANGNAMの2階にあります。同じ建物の客室にご滞在の方は、施術を終えてエレベーターで上がればすぐに休んでいただけますし、翌日の経過確認のために再び下りてこられる際も屋外への移動は必要ありません。江南店には日本語・中国語・英語に対応できる通訳スタッフが在籍しており、肌の状態の確認結果や回数の計画をご自身の言語で確認したうえで決めていただけます。

回復ケアもこの院内の移動の延長線上にあります。UHCグループホテルにご宿泊の方は、酸素カプセル30分かビタミン点滴のどちらか一方を無料でお選びいただけ、両方をご利用の場合はビタミン点滴が55,000ウォンとなります。詳しい条件はUH CELLのプロモーション案内でご確認いただけます。

来院前に韓国の皮膚科の予約をどこまで確定できるかについては海外から韓国皮膚科の予約、いまどこまで確定できますかでも整理していますので、渡航スケジュールを組む際にあわせてご覧ください。施術後にメイクを再開できる時期については施術後にメイクを再開できるのはいつ?表皮の状態で判断する目安で説明しています。

✅ チェックポイント

出発前にまとめておいていただくと、最初のカウンセリングで回数の相談まで進められます。

  • 自然光で撮影した顔の正面・左右45度の写真。できれば朝、メイク前
  • これまでに受けたシミ治療の種類と時期、そのときの反応(かさぶたの有無、跡が残ったか)
  • 現在使用中の外用薬と服用中の薬、妊娠・授乳の有無
  • 今回の滞在の正確な日数と帰国便の日付
  • 帰国後に現地でケアを続けられるかどうか

よくある質問|FAQ

年に一度しか来られませんが、肝斑治療を始める意味はありますか

意味はあります。ただし目標を調整する必要があります。最初の来院の目標は、肌の状態を確認し、ご自身の肌がどの出力にどう反応するかを確かめることです。文献上、肝斑は2〜12回を1〜4週間隔で重ねる設計が報告されているため、一度の滞在では完結しません。その後の12ヶ月は外用ケアと紫外線対策で維持し、次回の来院でその上にさらに重ねていく方法が現実的です。

数日の間にピコトーニングを何回も受けてはいけませんか

お勧めしていません。Journal of Clinical and Aesthetic Dermatology誌(2019年)に報告された症例では、週3回の頻度で2ヶ月間ピコトーニングを受けた患者23名全員に斑状の低色素症が生じ、追跡できた13名のうち回復した例はありませんでした。私はこの間隔を安全条件と考えており、日程に合わせて縮めることはしません。

老人性色素斑ひとつだけを片付けたいのですが、これも何度も来る必要がありますか

境界がはっきりした表皮の病変であれば、局所治療1回での改善が報告されており、単回で計画できます。治療部位に薄いかさぶたができ、自然に取れるまで数日かかるため、帰国便の日付とその間の日程を合わせて施術日を決めます。

アメリカで受けるものと韓国で受けるものは違いますか

機器そのものよりもプロトコルの違いに注目していただくのが正確です。低出力を複数回に分けて重ねる方式は、メラニンの多い肌で炎症後色素沈着のリスクを下げるための設計であり、Scientific Reports誌(2025年)にまとめられている通り、5〜10回を週単位から月単位の間隔で行う形で定着しています。どちらで受けるとしても、回数の間隔と施術後の紫外線対策を守るという条件は変わりません。

カウンセリングでは何を聞けばよいですか

ご自身の肌がどのように確認されたか、その内容から推奨される回数と間隔はどうなっているか、今回の滞在でどこまで可能で何が残るか、そして帰国後に続けるケアは何かの4点を確認してください。この4つの答えがかみ合っていない場合は、回数の計画をもう一度見直す必要があります。

※ 肌の反応や回復期間には個人差があります。正確な診察や施術内容については、専門医にご相談ください。