
リジュランとエクソソーム、うるおい肌はどちらを検討すべき?
2026年9月3日
- スキンブースター注入
リジュランヒーラーの主成分ポリヌクレオチド(PN)は韓国で臨床試験を経て承認された注射剤ですが、エクソソームは外用化粧品としての流通が中心で、皮膚への注射は承認された使い方ではありません。「どちらがより効くか」という問いは、実は同じ土俵での比較にはなりません。臨床データと承認状況がまったく違う二つの選択肢のうち、最初にどちらから検討するかという問題です。うるおい肌を目指して最初の1回を決めるなら、承認根拠が確認できる方から設計するのが安全です。
こんにちは! ユーエイチセルクリニック 江南店(UHCELL Clinic Gangnam)代表院長のキム・ヨンジンです。カウンセリングでこの質問をほぼ毎日受けます。「リジュランとエクソソーム、うるおい肌にはどちらがいいですか」という聞かれ方をしますが、私が最初にお伝えするのは、この二つは効果の大きさを並べて比較できるほどデータが揃っていないという事実です。片方は人を対象にしたランダム化比較試験の結果が学術誌に公開され、もう片方は注射という使い方自体が承認されていない状態で、重い有害事象の症例報告が出ています。この違いを知った上で選ぶと、期待できる結果の範囲と引き受けるリスクの大きさを、事前にある程度計算できます。
PNとエクソソームは肌への働きかけ方がそもそも違う
ポリヌクレオチドはサケ由来のDNAを精製した高分子です。Chang Sik Pak氏らの研究チームが2014年にJournal of Korean Medical Science誌に発表した論文は、この物質が皮膚の中で線維芽細胞の代謝活動に働きかけ、細胞外基質の構成成分や線維状の物質の産生を増やす方向に作用すると記述しています。同じ論文は、リジュランが真皮の浅い層を狙って注入されるよう設計された製品である点も明記しています。狙いは皮膚そのものの密度と弾力を底上げし、小じわや肌理の粗さを目立たなくする方向です。注入の目標は真皮浅層の質そのものの改善にあります。
エクソソームは細胞が分泌するナノサイズの小胞です。中央大学校医科大学皮膚科のKui Young Park教授が2025年にJournal of Cosmetic Dermatology誌に報告した論文は、エクソソームが細胞間の情報伝達を担い、免疫反応の調整や組織修復の促進に関わる特性から、皮膚再生や毛髪領域で注目を集めていると整理しています。メカニズム自体は活発に研究されている分野です。問題は、そのメカニズムを実際に皮膚へ注射した場合に人でどんな結果が出るのか、検証の段階がまだ手前にあることです。
「うるおい肌」という言葉でまとめられがちな変化は、実際には二つの現象が重なって見えているだけのことが多いです。真皮が水分を保持している度合いと、表面の肌理が整っている度合いです。この二つは異なる施術が別々に働きかけます。カウンセリングでは「うるおいが欲しい」という言葉をそのまま受け止めず、鏡を見てどの状態が気になるのかを先に分けて聞くようにしています。目元の小じわや薄さが気になる方と、化粧が浮いて表面がざらついて見える方とでは、同じ製剤で答えが出ません。
臨床データの厚みは両者とも過信できない
リジュラン側の根拠を具体的に見ていきます。先ほどの2014年の臨床試験は、72人を対象にしたランダム化二重盲検の対応比較設計でした。目尻のしわを対象に片側の顔にポリヌクレオチド製剤を、反対側には比較対照として架橋ヒアルロン酸製剤を注入し、2週間隔で計3回投与、12週間観察しています。同じ2名の研究者が全ての注入と評価を担当し、主要・副次的な客観指標では両群の間に統計的に有意な差は見られず、安全性の面では予期しない有害事象は報告されませんでした。研究チームの結論は、この製剤がしわの改善に有用に使える可能性があるというものでした。
この試験は72人という規模での12週間観察にとどまり、長期の経過や他の製剤との直接比較までは保証していません。私が患者さんにお伝えするときも、この臨床試験の内容は参考情報として示しつつ、断定的な効果保証にはしません。
エクソソーム側は状況が異なります。Kui Young Park教授の2025年の論文は、エクソソーム製剤がほとんどの国で外用化粧品としてのみ承認・流通しており、韓国を含め皮内注射は承認外で規制されていない状態にあると明記しています。そしてこの論文自体が、規制されていないエクソソーム製剤を皮内注射した後に生じた重症皮膚有害事象4例を報告するために書かれています。報告された反応には肉芽腫を含む局所有害事象が含まれます。全体の施術件数に対してこうした反応がどの程度の頻度で起きるかは、まだ集計された数値がありません。
こうした症例が存在するという事実だけで、すべてのエクソソーム施術が危険だと結論づけるのは行き過ぎです。ただ、現時点で文献に積み上がっている情報が、ランダム化比較試験による有効性データよりも有害事象報告の側に偏っているという事実はそのまま受け止める必要があります。当院でエクソソーム注射を「うるおい肌」の第一選択として提示していない理由はここにあります。
承認状況がカウンセリングの内容を変える
承認の有無は、問題が起きたときに何を根拠に対応できるかを左右します。
米国食品医薬品局(FDA)は、注射や静脈投与、移植など治療目的で承認されたエクソソーム製品は現時点で存在しないという立場を公式通知として示しています。韓国では食品医薬品安全処が2025年1月に化粧品の表示・広告に関するガイドラインを改正し、化粧品広告に「エクソソーム」のような人体由来を示す表現を使うことを制限しました。規制の焦点は、化粧品が医薬品であるかのように読める表現を排除することに置かれています。
承認外の製剤で患者さんが実際に負うリスクは大きく三つあります。まず、有害事象が起きたときに原因物質を特定しにくいこと。製剤と製造の情報が標準化されていなければ、因果関係を追う資料が残りません。次に、製品ごとに実際何がどれだけ含まれているかを確認する標準的な経路がないこと。最後に、短い滞在日程で来韓された方であれば、帰国後に問題が起きたときに現地の医療者へ説明できる根拠文書が残らないことです。
そのため私は、海外から来院された方には施術の同意段階で製剤の承認状況をそのままお伝えしています。江南店には日本語・中国語・英語に対応できる通訳スタッフが在籍しており、この説明をカウンセリングの段階で患者さんご自身の言語で伝えられる体制にしています。承認外の施術を希望される場合でも、何が承認範囲内で何が範囲外かを分けてご説明した上で決めていただいています。
表面のうるおいだけを狙うなら、選択肢はもう一つあります
「リジュランかエクソソームか」という二択に質問を絞ると、肌理の改善そのものを適応として承認された選択肢が議論から抜け落ちます。
ヒアルロン酸のマイクロドロップ製剤であるスキンバイブは、肌理と水分状態そのものを適応とする製品です。Allergan Aestheticsは2023年5月、この製品が21歳以上の成人の頬の肌理改善を適応として米国FDAの承認を受けたと発表しました。同発表に掲載されたランダム化多施設評価者盲検対照臨床試験の結果では、Allergan Cheek Smoothness Scaleで1点以上の改善を示した割合が1か月時点で58%(73/125)、6か月時点で56%(69/124)でした。患者自己申告では、6か月時点で肌が潤って見えると満足した割合が72%で、施術前の24%より高くなっています。
うるおいという主観的な目標が客観的な尺度で測定され、規制当局の審査を通過し、6か月時点のデータまで公開されています。維持期間について聞かれたときに、私が根拠を示して答えられる範囲はここです。
当院江南店で扱うスキンブースター系列は、リジュラン、スキンバイブ、ジュベルック ボリューム、水光注射です。目標が皮膚の密度と小じわ側であればポリヌクレオチド系列を、表面の肌理と水分感側であればヒアルロン酸マイクロドロップ系列を優先して検討します。両方の軸が絡んでいる場合は、回数を分けて順序を組み立てる設計にしています。
目元・頬のたるみ・輪郭、部位で施術が変わるのはなぜですかでは、部位ごとに肌の状態を確認する枠組みをさらに詳しく整理しています。
維持期間と回数をスケジュールに置き換えると
以下の維持期間は各製剤の公開された臨床観察区間を基準にしたもので、個人の肌状態や生活習慣によって変わります。
| 区分 | ポリヌクレオチド(リジュラン系列) | ヒアルロン酸マイクロドロップ(スキンバイブ系列) | エクソソーム皮内注射 |
|---|---|---|---|
| 主な作用の方向性 | 真皮の密度・弾力、小じわ | 表面の肌理・水分感 | 研究段階(有効性データ未確立) |
| ヒト対象ランダム化試験の公開状況 | あり(2014年、後に開示不備で撤回) | あり(2023年Allergan Aesthetics発表、6か月指標) | なし。有害事象の症例報告が中心 |
| 注射目的の承認状況 | 韓国で承認・流通 | FDAが頬の肌理改善適応で承認 | 韓国・米国とも注射目的の承認なし |
| 公開データ上の観察区間 | 12週間(2週間隔3回投与後) | 6か月(最適な施術後) | 該当なし |
| カウンセリングで確認すること | サケ由来成分へのアレルギー歴 | 施術部位と目標とする尺度 | 製剤の承認範囲と有害事象の報告状況 |
スケジュールに置き換えるとこうなります。ポリヌクレオチド系列の公開されたプロトコルは2週間隔3回でした。2泊3日の日程で来院し、1回だけ受けて帰国される場合、そのプロトコルの1回目を受けたことになります。1回目だけで臨床試験と同じ結果を期待するのは難しく、この点は施術前にはっきりお伝えしています。一方、ヒアルロン酸マイクロドロップ系列は単回施術後の6か月データが公開されているため、短い滞在で1回を決めなければならない状況と噛み合う部分があります。
回復もスケジュールに組み込む必要があります。どちらの系列も真皮に針が複数回入る施術のため、注入部位の腫れや内出血が出ることがあります。2014年の臨床試験では予期しない有害事象は報告されていませんが、腫れや内出血のような想定範囲内の局所反応は別途ご案内しています。撮影の予定や帰国便が施術翌日にある場合は、その事情を先に伺えれば施術部位と注入量を調整できます。
短い滞在日程で私たちが順序を組み立てる方法
江南店の患者さんの多くは施術を目的に来院される海外の方です。2日から7日の間の日程の中に、肌の状態の確認、施術、回復のすべてが収まる必要があります。
肌の状態の確認は私自身が行います。状態を分けた上でどの層にどの製剤を使うかを設計し、施術も同じ人がそのまま続けて担当します。カウンセリングと施術の担当が分かれると、滞在2日目に説明が最初からやり直しになる事態が起こりますが、短い日程ではこの繰り返しがそのまま損失になります。
院内の移動も設計に含まれます。江南店はUH FLAT SIGNATURE GANGNAMというホテルの2・3階にある施設です。ホテルの建物内で診療と回復がつながる構造になっています。UHCホテルの宿泊者は、酸素カプセル30分またはビタミン点滴のどちらか一つを無料で選べます。両方を利用する場合、ビタミン点滴は55,000ウォンです。施術直後に屋外への移動と紫外線への露出を避けたい時間帯に、移動距離がエレベーターで数階分に収まる構造です。施術は個室で行っています。
ソチョ店の代表院長キム・ギョンス医師は、韓国と日本の医師免許を両方取得しています。日本から来院される方が自国の免許制度で確認できる要素を必要とする場合、この点をご案内しています。私自身はソウル大学校大学院を卒業し、ソウル大学病院で研修を受け、Allerganのファカルティおよびポテンツァ・ウルセラのキードクターとして活動しています。
施術前の同意段階で何を確認すべきかについては、施術前の説明と同意書、予約前に確認すべき5つのことにも項目を整理してあります。
スキンブースターを勧めないケース
たるみが主な悩みなのに「うるおい」を目的に来院される方がいます。皮膚表面のなめらかさと輪郭の位置は異なる層の問題で、スキンブースターが働きかける範囲は前者です。このような場合、まずリフティング系列を検討し、スキンブースターは後回しにします。
色素が重なって顔全体がくすんで見えるというカウンセリングも多くあります。この場合、注射だけではトーンは整いません。色素は層とタイプを分けて対応する必要があるため、当院では別記事で整理した色素タイプ別の設計基準に沿って進めています。
サケ由来成分にアレルギー歴がある方は、ポリヌクレオチド系列の対象から外れます。カウンセリング段階で確認する項目で、該当する場合は別の製剤に設計を切り替えます。
よくある質問|FAQ
リジュランとエクソソームを同じ日にまとめて受けられますか?
当院では承認範囲が異なる二つの製剤を同じ回に重ねて入れることはしていません。有害事象が起きた際にどちらに由来するのか区別できなくなるためです。併用を希望される場合は回数を分け、各回で肌の反応を確認してから次の段階を決めます。
施術後何日くらいで化粧できますか?
注入部位に細かい針痕が残る施術のため、施術当日はその部位のメイクを控えるようご案内しています。翌日からは刺激の少ない製品であれば可能なことが多いですが、部位と注入量によって変わるため、施術直後のカウンセリングで個別にご案内するのが正確です。
飛行機の搭乗が施術翌日の場合はどうすればいいですか?
日程を事前に教えていただければ、その条件に合わせて注入部位と回数を調整します。機内の乾燥と長時間の着席は腫れの回復に不利なため、顔全体より優先度の高い部位に範囲を絞る方法が現実的です。
男性患者もスキンブースターを受けられますか?
受けられます。男性は皮膚の厚みと皮脂分泌の傾向が異なるため、注入する深さと量を変えて設計します。製剤の承認状況を確認する手順は性別に関わらず同じです。
1回受けて満足できる効果が出なかった場合、別の施術に変えるべきですか?
すぐに切り替えるのではなく、何が不足していたのかを先に整理します。公開された臨床プロトコルが2週間隔3回だった系列であれば1回目の結果だけで判断するのは難しく、目標がたるみや色素側にあった場合は製剤を変えるのが妥当です。当院ではこの判断を次回のカウンセリングで写真とあわせて確認しています。
うるおい肌を目指して最初の施術を検討されているなら、どの製剤を選ぶかより先に、自分の肌で何が不足しているのかを整理する方が近道です。肌の状態の確認と設計、施術を同じ人が続けて担当する方式と、滞在日程に合わせた回復の院内の移動については、ユーエイチセルクリニック 江南店でのカウンセリングで詳しくご案内しています。
